アマガエルのミドリちゃん

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ジャガイモの芽が出てきてしまった。りんごを入れておくと、ジャガイモの芽の伸びを抑える効果があると言うから入れておいたのに、残り10個もないジャガイモに白くて太い2~3センチもある芽が、クモみたいにベターと付いている。

ジャガイモの芽や、緑化したイモは毒性があると言われているから、食べないが、間違って食べればニガーイ。ウワーって吐き出す苦さだ。だから味って知っていないとダメって事だ。こんなの見たら食べる気なんて吹っ飛んでしまう。

そうだ小さな畑に植えればいいんだ。まだ寒いけど植えとけば、芽が出て6月頃新ジャガイモが食べられる。

石を取り穴を掘ろうとしたら、カタツムリやナメクジが冬眠中だ。アアーこうゆうのがイヤなんだけど、仕方ない割り箸でビニール袋に入れてゴミに出すしかない。

土をスコップで1回、2回、3回、と掘ったらアラー、私の可愛いアマカエルのミドリちゃんが掘り起こされちゃった。両手と両足を広げて、結構デカイ態度で寝ていたんだ、イヤ冬眠していたのだ。


私はこの小さな畑を作り始めて、もうじきに3年目になる。始めは石だらけの草1本ない庭だった。土を耕し、芽の出ていた里芋を植えて置いたら葉が大きくなり日陰が出来た。

その葉の上に1センチもない、小さなアマガエルが乗っていた。いつも同じ所に乗っている、そのうち柿の木を植えたら、柿の葉に乗っている。梅の木を植えたら梅の木に登っている。小さな畑を遊び場にしていた。このアマガエルにミドリちゃんと名前をつけた。

1年目の冬は、どこにいたのか姿を消してしまった。2年目の春に落ち葉の下で、今にも飛び出そうとして目をクルクルさせていたミドリちゃんを見つけた。

木の葉が出て来る頃には、鉢の中のくぼみにじっとしていて、1日中えさになる小さな虫が飛んで来るのを顔だけ動かし座っていた。

真夏の暑い頃には、畑の中で決まった木の枝があるらしく、いちじくの葉に乗ったり、梅の木に乗ったり、柿の葉に乗っていたり、たまに元いた鉢の中に帰ったりをしていたからすぐ見つけることが出来た。

しかし雨上がりの朝にはどんなに探してもいない、行動範囲が広くなったのか、外の世界が見たくなったのか、隣との境のヘンスに登ることを覚えた。

庭に出る度に、ミドリちゃんを探すのが私の日課になった。

夏休みのある日、ヘンスの近くで「アー、カエルだー」と大声がした。「しまったー、子供達に見かったんだー」と私は思った。

子供達は発泡スチロールの箱に土を入れフタをして、朝、昼、夕方、同じようにバタバタ足音を響かせて箱を見ている。

私のミドリちゃんはどんなに探してもいない、仕方ない、「ミドリちゃん、ミドリちゃん」と言いながら畑を見て歩いていたがいない。

ところが1週間もすると隣からまた大声が聞こえて来た。お父さんが子供に「もういいでしょう」と言っている。私は「エエー、もしかしたら」と顔がニターとなった。すぐ見に行く勇気がない。じっとしていたが、もう我慢が出来ない。

いつも見ていた所から探し始めた、ウーハー、柿の葉に乗っている。同じ顔、同じ背中の模様のアマガエルだ。事の真相は分らないが畑に帰ってきたのだ。秋の終わりまで、ミドリちゃんを見て私は喜んでいた。

しかし寒くなりかけて来たある日突然、ミドリちゃんは姿を消した。また、いなくなってしまった。と思いながら冬を過ごしていた。

ジゃガイモの芽が、白いクモみたいに伸びていなければ、菜の花が咲く頃まで土を掘ることはなかった。ミドリちゃんの冬眠を起こしてしまったから、二度寝させようと土をそっとかぶせておいた。

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