ブルーの免許証
パトカーが私の車にピタリとついてくる。いつ割り込んできたのかイヤな感じがした。2車線になっているんだから先に行けっての。信号で止まるとまだノロノロ付いてくる、2回目の信号でもピタリと付いてくる。
街中で、暇な仕事をしているもんだと、カーラジオをご機嫌で聞きながら私は車を発車させたら外で何か雑音が聞こえてくる。うるさい雑音こそ取り締まりでもしたらどうだ。ところが「前の車、止まりなさい」と言っているようだ。
私に関係ないもんね、スイスイ気分でいる私の車の横にピタリとパトカーが並んだ、横を見たら私の方を見ている。見ればマイクで止まりなさいと言っているらしい。なんで私が止まらなければいけないんだ。
私は前の車について規則正しく走っているんだ。なにが止まれだ、ところがパトカーは、私の車を本気で止めようとしている。仕方なしに左側いっぱいに寄せ車を止めた。
「何ですか」とブッキラボウに尋ねると後のランプが片方切れていると言う。私の車は整備不良車だからランプを取り替え、近くの交番で「この用紙を出せばいいだけだ」と同乗していたおまわりさんの一人が親切に渡してくれた。
私は自分がバカな時には、ニコーって笑ってごまかし「アッすみません」と言えるいい女だ。
あきらかに悪いのに「すいません」も「ごめんなさい」も言えない、言わないバカが多すぎる。
ところが何日もしない内に、私はまたバカをやった。集合場所に遅れそうになり急いで車を走らせた、慣れた道なら怖いものなし。ルンルン気分だ。すると突然前の車が左空き地に入っていく。よく見る交番の空き地である。赤い棒みたいのを持った人が私にも入れ、入れ、入れ、と手まねきしている。
私はなにがなんだか分らない、交番の空き地になんで入らないといけないんだ。私は急いでいるんだ、いいかげんにしろ、何したってんだ。「何ですか」と聞くとシートベルトしてないと言う。エエーそんな。
確かに忘れてた。私はシートベルトを1度だって忘れた事なんてない。近場だからって急いだのが間違いだった、ついてない日ってのはあるものだ。
交番の中に入ると3~4人待っている人がいる。私がやっと免許証を見せ交番を出た時には集合時間はとっくに過ぎていた。
シートベルト事件はその後すっかり忘れていた。
私は免許更新に出かけた。ゴールドとばかり思っていた私の免許証は、シートベルトベルト事件で、5年有効のブルーだった。
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