冬の布団干し

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北風がビュービュー吹いた次の日の空は青い。
関東平野を取り囲む小さな田舎町でも、こんな青い空はめったにない。

朝起きて青い空と太陽を見ただけで気分は上昇、なにをするにも家の中をトットと走る。青い空に太陽と言ったら布団干しだ。

私が布団干しを好きになったのは、子供の頃から屋根に布団を干していたからだ。長いはしごを屋根に掛け、布団をかついで登っていく。なだらかな屋根は瓦だから、布団を干すのに丁度いい場所だった。冬にポカポカの布団に入って遊ぶのは子供だって大好きだ。

こんな布団干しをさせていた親ってのもいい度胸している。子供が屋根から落ちるなんて考えていなかったのか、落ちる訳ないと思っていたのか、こんな事当たり前だった。

だから私の布団干し好きは今も続いている。

私は一度、道営住宅の3階に3年住んだ事がある。空の青い土用の日、手作りの梅干をザルに並べ、3階のベランダに朝から干していた。3日3晩カラッと干したら出来上がりだ。梅干を干す日は1年に一度の私のハッスル日だ、あの何とも言えない梅の干せた匂いと言うか香りと言うか、お酒の飲めない私が酔ってしまいそうになる日でもある。

ところが4階に越して来たばかりの若い男の子は布団干しが大好きなのだ。

私は梅干を干す前に布団を干してないか、4階を見て今日はいいだろう。と梅干の香りに酔っていた、すると土日でもないのに、上からバンバンと布団をたたく音がする、若い男の子だもの私がパタパタたたく音とは比べものにならない。私の酔いは一瞬にさめ、ベランダの梅干を急いで部屋に入れた。白いほこりが降ってくるなんて、なんで今日なのよ。

私は梅干を一ツづつ焼酎で2度洗いして、外の車の上に干した。梅干より私の方が梅干ばあさんになりそうな日だった。

だから布団干しと梅干を干す日は、なぜか外をよーく見る癖がついてしまった。布団を干す時間は2~3時間でよいらしい、日中の暖かな昼前後が良い。私は夏場、ダニをやつつけたいからカンカンに布団干しをして、裏に逃げたダニだって逃がしはしないぞーと布団をひっくり返す。その後パタパタとほこりをたたき、掃除機でさらにイヤなほこりを吸い取ってやる。

布団を干した日は、なんとも言えない太陽の匂いに包まれ、夢の中に入っていく。

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