春一番の吹いた日

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東京に春一番が吹いた日、私の住む関東平野を取り囲む小さな田舎町でも、今までと違う、竜巻みたいな砂ぼこりの混じった強風が突然が吹き出した。

天気予報で昼から低気圧が来そうな事は知っていた。私が登る近場の山には朝から普段会ったことのない顔の登山者が多くいた。

頂上では見たこともないくらい、関東平野は白いオブラートをかけたように濁っている、こんな関東平野は見たくないのか、誰もが無口で山を下りて来る。

景色の見えない山は登った嬉しさが半分になる、どこまでも青く澄み切った景色を見れば、息が切れようが足が痛かろうが、そんなものはすっ飛んでしまう。白い平野にこの後、急な突風が吹き始めた。

私は山の頂上で普段と違う風に異変を感じ、400メートルの岩場をいっきに下りた。急な斜面は風が当たらないから、ただの突風だったのかと思いながら駆け下りたが、ただの風ではない、山を下りると同時にザザーと雨だ。

雨が降ろうと槍が降ろうと、直ぐ出せる薄手のビニールカッパを引っ掛け、車にたどり着いたが通り雨だった。朝は混雑していた駐車場に車がほとんどない、エエーなんだー、皆この天気を知って早く切り上げたんだー。

車がひっくり返ってもおかしくなくらいの風、これが春一番の嵐のような風だったのだと後で知った。

風はもう沢山だけど、本当の春が早く来ないかなー。

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