犬のオムツ
山登りの合間には近くの運動公園を歩くことがある。400メートルのトラックを何周もして、1時間ウーキングするのは山に登るより大変だ。
同じ所をグルグル回っていると5周もすると飽きてきてしまう。どうも飽き性なのか同じことが出来ない、湖畔の周りや林道を歩くのなら何時間でも歩ける。
10000メートルを走るトラック競技では、選手達が25週も走るのだから、目が回りそうで気が遠くなる回数だと思う。
私中学一年の時、一度400メートルトラック一週を大観衆の中走ったことがある。大観衆といっても中学生の陸上大会だ。全速で走ったことだけ覚えているけど、400メートルを全速で走れる訳がない。ただこんなに苦しいものかと思ったのは今も覚えている。
だから週に3~4回、山に登っても歩いても、苦しい時には立ち止まって休むから私にはなんでもない。
運動公園はまだ寒いのに若い人たちが、テニスをしている。ばあちゃん、じいちゃん達が早くもゲートボールの練習を始めている。腰が丸くなっているけど、歩くのが速くてビックラする。
ところが練習を終えた、若い女の人がいきなり「おしっこまみれ、うんこまみれで、あれ自分でもイヤなんだよねー」相手は「うん、うん、そうだよねー」と分かっているように答えているのだ。
ナナナンダー。何てことを話しているんだ、私は歩くどころでない。聞き耳をたてた。寝たきりの人のことか? ソソ、ソンナ事いう訳がない。
私はいつまでも聞いている訳にはいかない。アアー、なんだろう。もう歩いてなんていられない。なんだろー。帰り道、私はどんなに考えても分らなかったが、ふと思い出したことがある。
「家のワンちゃん、年とっちゃって、歩くのもやっと、おしっこもうんこも出ちゃうの」「だから赤ちゃんのオムツしてるのよ」と近所の奥さんが話しているのを聞いたことがあった。
そうかあれは、年取ったワンちゃんの話なのだと納得した。
だが、あれは一体なんの話だったのだろう?
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