近場の山に登り始めて3年になる、3日に1回は登るから約360日は登ったことになる。近場とは言え毎日では続かない。
雨の日や風の日も山に登っている人もいるが、私にそんな真似など出来る訳がない。
体が軽く登れるのは3日に1度が丁度いい。3年も同じ山を歩けば、何処に石があり何処に花が咲く所があり、どこに木の実があるかも分っているのに、沢の奥に咲いていた白い花に気が付かなかった。
水芭蕉だ。こんなに身近な所で水芭蕉が見られとは思わなかった。見とれていたくても近づくことの出来ない沢の奥だから、3年の間、見ることはなかったのだ。第一、沢の奥まで目を光らせるなんてとても出来ない。よく見ているようで私の目もたいしたことはない。
水芭蕉と言ったら、尾瀬と思うだろうが、私が北海道に住んでいた頃には、函館近くの沢や、大沼公園の近くや、札幌郊外の野幌森林公園には沼地が沢山あり、春になると咲く花と思っていたから、水芭蕉の花を見るともう春だとウキウキしたものだ。
水の中で大きな葉と白い花は、何か涼しげな、何か淋しげな、何か優しげな顔をして咲いている。
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