縁石に沿って走るタイヤ

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歩道を歩いていると一段下がった車道をタイヤが猛スピードで縁石に沿ってクルクル回り走っていく、なんだこれは? 何事が起きたのか分らなかった。タイヤが1本クルクルと車道を走っているなんて、分るはずがない。車道の前に車はいない、タイヤは走りに走りながらスピードを落とし、左に円を描きながら小路に入り込んでいった。

すると白い乗用車が静かに通り過ぎタイヤの入り込んでいった小路に入った。アーと思った時にはもう車は見えない。私は急いで後を追ってみた。

小路には人影はなくタイヤもない。タイヤが1本抜けた車が横を向き無造作に止まっている。小路には車も人もいないかったから幸い事故にはならなかった。どうして車がタイヤなしでうまく止まったのかと私は疑問と恐怖が入り混じっていた。

私ならとてもこんなに上手に車を止める事など出来ない。私は自分で夏タイヤと冬タイヤを取り替えていたが、この時から止める事にした。

運動会でタイヤころがしをやった事があるけど、大人だって倒れそうになったり、よろけたりするから簡単にバランスをとりながら走るなんて難しい。タイヤは車について走るものだけど、一本のタイヤが車道を走っているなんて化け物だ。

東名高速を走るトラックのタイヤが脱落事故と聞いた時、私は目が回ってきた。あの時、あのタイヤが歩道に乗り上げていれば私は吹っ飛ばされていたかも知れない。私が小路に差し掛かっていれば突き当っていたかも知れない。

事故とは突然、前触れなく襲ってくるものだ。気をつけても避けられない事故は悲しい。

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